電子書籍で漫画を読んでいると、「このコマを保存しておきたい」「名シーンをスマホの壁紙にしたい」と思うことがありませんか?
スマートフォンやタブレットのスクリーンショット機能を使えば、電子書籍の画面を画像として保存すること自体は技術的に可能です。ただし、著作権法やストアの利用規約との関係で注意すべきポイントがいくつかあります。
この記事では、電子書籍のスクリーンショットを保存する方法と、法律面・規約面でのリスクをわかりやすく整理します。「やっていいこと」と「やってはいけないこと」の線引きを正しく理解して、安心して電子書籍を楽しみましょう。

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電子書籍のスクリーンショットは違法なのか?


結論から言うと、購入した電子書籍を私的使用の目的でスクリーンショット保存すること自体は、著作権法上は違法ではないと考えられています。
著作権法第30条(著作権法全文|e-Gov法令検索)では、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」を目的とする複製(私的使用目的の複製)は、権利者の許諾がなくても認められています。
つまり、自分だけが見返すための備忘録として保存する程度であれば、法律上は問題ないという解釈が一般的です。
違法になるケース
一方で、以下のような行為は著作権法違反や利用規約違反に該当する可能性があります。
- スクショした画像をSNS(X・Instagram等)に投稿する → 公衆送信権の侵害
- スクショした画像をブログやサイトに掲載する → 複製権・公衆送信権の侵害
- スクショした画像を他人に送信・共有する → 私的使用の範囲を超える
- DRM(デジタル著作権管理)を解除してスクショする → 不正競争防止法違反
- 自動化ツールで大量にスクショを撮る → 利用規約違反・アカウント停止のリスク
私的使用目的であっても、DRM(コピーガード)を解除してスクリーンショットを撮る行為は違法です。DRMの解除は著作権法および不正競争防止法で禁止されています。通常のスクリーンショット機能を使う分にはDRM解除には該当しません。
端末別のスクリーンショット方法
iPhoneでのスクリーンショット
- Face ID搭載のiPhone:サイドボタンと音量上ボタンを同時押し
- ホームボタン搭載のiPhone:サイドボタンとホームボタンを同時押し
撮影後は「写真」アプリに自動保存されます。
Androidでのスクリーンショット
- 多くの機種:電源ボタンと音量下ボタンを同時長押し
- 一部の機種:電源ボタン長押し → 「スクリーンショット」を選択
保存先はギャラリーアプリまたはファイルマネージャーで確認できます。
Kindle専用端末でのスクリーンショット
Kindle PaperwhiteやKindle Oasisなどの専用端末でも、画面の対角線上の2つの角を同時にタップすることでスクリーンショットを撮影できます。保存された画像はUSBケーブルでPCに接続して取り出します。


スクリーンショットが制限されるアプリ・サービス


一部の電子書籍アプリでは、DRM保護の一環としてスクリーンショット機能自体がブロックされています。
スクショを撮ると画面が真っ黒になったり、「スクリーンショットは禁止されています」という警告が表示されたりするケースがあります。これはアプリの著作権保護機能によるもので、端末の故障ではありません。
スクリーンショットの制限有無はアプリやコンテンツによって異なり、同じストアでも特定のコンテンツだけ制限がかかっている場合もあります。
スクリーンショット以外で電子書籍を記録する方法
スクリーンショットが制限されている場合や、著作権的にグレーな行為を避けたい場合は、以下の方法で読書記録を残すのがおすすめです。
ハイライト・メモ機能を使う
Kindleや楽天Koboなどの主要アプリには、テキストをハイライト(マーカー)する機能やメモを書き込む機能が搭載されています。気になった箇所にマーカーを引いておけば、後から簡単に見返せます。



読書ノートに手書きで記録する
アナログですが、印象に残ったセリフやシーンを自分の言葉で書き留めておく方法も有効です。著作権の心配がないうえ、記憶にも定着しやすいメリットがあります。書き留める専用のノートを1冊用意しておくと、読み返したいときにまとめて見返せます。
ブックマーク(しおり)機能を活用する
お気に入りのページにブックマークをつけておけば、いつでもそのページに戻れます。スクショで保存しなくても、ストア内で管理できます。
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SNSで漫画の名シーンを共有したい場合は、以下の方法を活用すると著作権トラブルを避けられます。
- 出版社やアプリが公式に提供している「シェア機能」を使う
- 公式アカウントが投稿している画像をリポスト(リツイート)する
- 画像は使わず、感想や推薦コメントをテキストで投稿する
コミックシーモアやebookjapanなどでは、一部の作品に公式のシェアボタンが用意されていることがあります。こうした機能は出版社が許可した範囲内で利用できるため、安心して使えます。





電子書籍のスクリーンショットに関する利用規約の違い
各電子書籍ストアの利用規約では、スクリーンショットについて異なるスタンスを取っています。
Kindleの利用規約
Amazonの利用規約では、コンテンツの「複製・保存・配布」を原則禁止しています。私的使用目的の範囲であれば法律上は問題ありませんが、規約上はグレーゾーンに位置する行為といえます。大量のスクリーンショットを自動化ツールで撮影すると、Amazonの監視システムによりアカウント停止のリスクがあるため注意が必要です。
楽天Koboの利用規約
楽天Koboも同様に、コンテンツの複製や再配布を禁止しています。個人利用の範囲でのスクリーンショットについて明確に禁止する文言はありませんが、大量保存や共有は避けるべきです。
コミックシーモア・ebookjapanなど
国内の電子書籍ストアでも基本的なスタンスは同じで、個人的な利用を超える複製・配布は利用規約違反とされています。アプリ内でスクリーンショットがブロックされている場合は、ストア側が明確に禁止の意思を示していると理解しておきましょう。
スクリーンショットの管理に関するベストプラクティス
仮に私的使用目的でスクリーンショットを保存する場合でも、以下のポイントを心がけておくとトラブルを避けられます。
保存した画像は端末内にとどめる
クラウドストレージに自動同期する設定になっていると、意図せず画像が他のデバイスやサービスに共有されてしまう場合があります。スクリーンショットの保存先フォルダをクラウド同期の対象外に設定しておくのが安心です。
SNSへの投稿は控える
「ちょっとだけなら大丈夫」という軽い気持ちでSNSに投稿すると、著作権者から損害賠償請求を受ける可能性があります。漫画のコマをSNSに無断で投稿する行為は著作権侵害(文化庁)として実際に問題になった事例もあるため、十分に注意してください。
不要になったスクリーンショットは削除する
一時的なメモ目的で保存したスクリーンショットは、用が済んだら削除しておくのが賢明です。端末のストレージ節約にもなりますし、万が一端末を紛失した際のリスクも減らせます。
Q&A:電子書籍のスクリーンショットに関するよくある質問
Q. 購入した電子書籍のスクショを個人のフォルダに保存するのは違法ですか?
私的使用の範囲であれば、著作権法上は問題ないと解釈されています。ただし、ストアの利用規約で禁止されている場合があるため、利用規約も確認しておくのが安心です。
Q. スクショ画像をLINEで友人に送るのは問題ありますか?
厳密に言えば、私的使用の範囲を超える複製・送信に該当する可能性があります。感想を伝えるなら、テキストでの共有にとどめるのが無難です。
Q. 読み放題サービスの作品をスクショで保存して退会後に見返すのはOKですか?
読み放題サービスの作品は、サービスに加入している間のみ閲覧が認められています。退会後に閲覧するためにスクショで保存する行為は、サービスの利用規約に違反する可能性が高いため、避けたほうが良いでしょう。
電子書籍のスクリーンショットに関する最近の動向
電子書籍のスクリーンショットを巡る法律やサービスの対応は、近年も変化し続けています。
アプリ側のDRM強化が進んでいる
主要な電子書籍アプリでは、スクリーンショットを防止するためのDRM技術がより厳格になっています。特に漫画アプリでは、画面録画やスクリーンショットを検知して自動的に画面を黒塗りにする機能を搭載するケースが増えています。これは著作権保護の観点からやむを得ない対応といえるでしょう。
出版社による公式シェア機能の拡充
一方で、出版社側も読者が合法的に作品を共有・紹介できるよう、公式のシェア機能を拡充する動きが見られます。特定のコマやページを公式の許可のもとでSNSに投稿できる機能は、ファンにとって作品をおすすめしやすくなる仕組みとして歓迎されています。
スクリーンショット以外の引用に関する議論
著作権法上の「引用」の範囲をめぐる議論も続いています。ブログや感想記事で漫画のコマを使用する場合、「引用」として認められるためには、出典の明記や主従関係の明確化など複数の条件を満たす必要があります。個人ブログであっても、著作権法に則った適切な引用の範囲を意識することが大切です。
まとめ
電子書籍のスクリーンショットは、私的使用の範囲であれば著作権法上は違法とはされていません。しかし、SNSへの投稿・他人への共有・DRM解除を伴う保存は法律違反になる可能性があるため、「自分だけが見返す目的」の範囲にとどめておくのが安全です。
スクショ以外にも、ハイライト機能やブックマーク機能など便利な読書記録ツールが用意されています。著作権への正しい理解を持って、気持ちよく電子書籍を楽しんでいきましょう。



