図書館で電子書籍が無料で借りられることを知っているだろうか。実は全国600以上の自治体が「電子図書館」サービスを導入しており、図書館の利用者カードがあれば自宅からスマホやパソコンで電子書籍を借りて読むことができる。
わざわざ図書館に足を運ばなくても、24時間いつでもどこでも本を借りられるのが電子図書館の魅力だ。返却期限が来れば自動で返却されるので、延滞金の心配もない。この記事では、電子図書館の仕組みから具体的な使い方、対応サービスまで詳しく紹介する。

電子図書館とは?基本の仕組みを解説
電子図書館は、公共図書館がインターネットを通じて電子書籍の貸し出しを行うサービスだ。紙の本と同じように「借りる→読む→返す」の流れで利用できるが、すべてオンラインで完結するのが大きな違いといえる。
導入状況
電子出版制作・流通協議会の調査によると、記事執筆時点で全国612自治体・492の電子図書館が運営されている。都市部を中心に導入が進んでおり、年々増加傾向にある。自分の住んでいる自治体が対応しているかは、図書館の公式サイトで確認しよう。
利用に必要なもの
電子図書館の利用には、その自治体の図書館利用者カード(図書館カード)が必要だ。カードを持っていない場合は、図書館の窓口やインターネット(電子申請)で利用登録できる自治体もある。登録には身分証明書と、その自治体に在住・在勤・在学していることの証明が必要になるのが一般的だ。
貸出の仕組み
電子書籍の貸出冊数と期間は自治体によって異なるが、2〜3冊まで・14日間としているところが多い。返却期限が来ると自動的に返却されるので、延滞の心配がない。予約が入っていなければ、貸出期間の延長ができる場合もある。
- 利用料:無料(図書館利用者カードが必要)
- 貸出冊数:2〜3冊が一般的
- 貸出期間:14日間が主流(自動返却)
- 対応デバイス:スマホ・タブレット・PCのブラウザで閲覧可能
電子図書館の主な配信プラットフォーム
自治体の電子図書館で使われている配信プラットフォームはいくつかある。どのプラットフォームが使われているかは自治体によって異なるが、操作方法はどれも比較的シンプルだ。
TRC-DL(図書館流通センター)
全国の公共図書館で最も広く採用されているプラットフォーム。ブラウザ上で電子書籍を読むことができ、専用アプリのインストールは不要だ。検索・予約・貸出がすべてブラウザ内で完結する。
LibrariE(ライブラリエ)
紀伊國屋書店が提供するクラウド型電子図書館サービス。約19万点の電子書籍を搭載しており、新刊小説から実用書、英語多読書まで幅広いジャンルをカバーしている。大学図書館や公共図書館で導入されている。
KinoDen(キノデン)
同じく紀伊國屋書店が提供する学術向けの電子図書館サービス。大学図書館や研究機関で主に利用されており、学術書や専門書に強い。一般の公共図書館での導入は少ないが、大学生や研究者にとっては非常に便利なサービスだ。

電子図書館の具体的な使い方
ここでは一般的な電子図書館の利用手順を説明する。細かい操作は自治体やプラットフォームによって若干異なるが、大まかな流れは共通している。
ステップ1:図書館利用者カードを取得
まだ図書館カードを持っていない場合は、最寄りの図書館で利用登録を行う。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)を持参しよう。自治体によってはオンラインで登録手続きができるところもある。
ステップ2:電子図書館サイトにログイン
自治体の図書館公式サイトから電子図書館のページにアクセスし、利用者カード番号とパスワードでログインする。初期パスワードは生年月日(西暦8桁)が設定されている場合が多いので、ログイン後は変更しておくと安心だ。
ステップ3:本を検索して借りる
読みたい本をキーワードやジャンルで検索し、「貸出」ボタンをクリックするだけ。すぐにブラウザ上で読み始められる。人気の本は貸出中になっていることもあるが、その場合は「予約」を入れておくと、返却され次第メールで通知が届く。
ステップ4:読む・返す
借りた本はブラウザ上で読める。しおり機能があるので、途中で閉じても続きから読み直せる。返却は期限が来れば自動だが、読み終わったら手動で返却することもできる。早めに返却すれば、ほかの利用者が借りやすくなる。
電子図書館で読める本のジャンル
「電子図書館って本の種類が少ないんじゃ?」と思うかもしれないが、最近はかなり充実してきている。
小説・文芸
人気作家の作品から古典文学まで幅広く揃っている。ただし、紙の図書館と同様に人気の新刊は予約待ちになることがある。
実用書・ビジネス書
料理、健康、マネー、ビジネススキルなど、実用的なジャンルも充実している。紙の本を借りに行く手間なく、気になったときにすぐ読めるのが電子ならではの利点だ。
児童書・絵本
子供向けの絵本や児童書も多く揃えている自治体がある。読み聞かせ機能が付いている電子書籍もあり、お子さんのいる家庭にも便利だ。
英語多読書
英語の多読学習用に、レベル別の洋書を揃えている電子図書館も増えている。語学学習中の方にはうれしいラインナップだ。
電子図書館で借りられる本は、紙の図書館の蔵書とは異なる場合がある。電子化されていない本や、出版社が電子貸出を許可していない本は対象外となるので、読みたい本があるかは事前に検索して確認しよう。
電子図書館のメリット・デメリット
メリット
来館不要:自宅からスマホやPCで24時間利用可能。天候や体調に左右されず、いつでも本が借りられる。
自動返却:返却期限が来たら自動的に返却されるので、延滞金が発生しない。うっかり忘れても安心だ。
待ち時間の有効活用:通勤中や待ち時間にスマホで読書ができる。紙の本を持ち歩く必要がない。
デメリット
蔵書数が限られる:紙の図書館に比べると電子書籍の蔵書数は少ない傾向がある。自治体の予算や方針によっても差が大きい。
人気本は予約待ち:紙と同じく1冊を1人しか借りられないため、人気の本は予約待ちになりがちだ。
対応自治体の限界:すべての自治体が電子図書館を導入しているわけではない。自分の住んでいる地域が未対応の場合は利用できない。

電子図書館以外で無料で読める電子書籍
電子図書館以外にも、無料で電子書籍を読む方法はある。合法的に利用できるサービスを紹介しよう。
青空文庫
著作権が切れた文学作品を無料で公開しているサイト。太宰治、夏目漱石、芥川龍之介など日本の名作が数多く読める。Kindleなどの電子書籍リーダーにも対応している。
各ストアの無料作品・試し読み
Kindle、楽天Kobo、ebookjapanなどの電子書籍ストアでは、期間限定で無料公開されている作品や、試し読み(1〜3巻無料など)が用意されている。新しい漫画や小説との出会いにもなるので、定期的にチェックしてみよう。
漫画アプリの無料枠
LINEマンガ、ピッコマ、少年ジャンプ+などの漫画アプリでは、「待てば無料」や「毎日1話無料」など、広告視聴や時間経過で無料で読める仕組みがある。正規のサービスなので安全に漫画を楽しめるのがうれしい。
よくある質問(Q&A)
Q. 電子図書館は本当に完全無料?
公共図書館の電子書籍サービスは完全に無料だ。図書館利用者カードの作成も無料。通信料は自己負担だが、Wi-Fi環境があれば気にならないだろう。
Q. 電子図書館の本はダウンロードできる?
多くのプラットフォームではブラウザ上での閲覧のみで、端末へのダウンロードはできない場合が多い。そのため、読書中はインターネット接続が必要になることがある。
Q. 図書館カードなしでも使える?
図書館利用者カードは必須。カードを持っていない場合は、まず図書館で利用登録を行う必要がある。自治体によってはオンラインで仮登録できるところもある。
まとめ
電子図書館は、無料で電子書籍が借りられる非常にお得なサービスだ。来館不要・自動返却・24時間利用可能という利便性は、忙しい現代人にとって大きなメリットといえる。
まずは自分の住んでいる自治体の図書館公式サイトで電子図書館サービスの有無を確認してみよう。対応していれば、今すぐ無料で読書生活をスタートできる。
参考リンク:電子図書館導入図書館一覧(電子出版制作・流通協議会) | TRC-DL 電子図書館サービス | 青空文庫

